
カトリック教徒の多い都市として知られるルツェルンは、中世から続く長い伝統のカーニバルで有名です。パレードの原型が15世紀の記録に残る、フリッチFritsch”と呼ばれる等身大のワラの人形をギルドやクラブの一団、太鼓隊、笛吹き隊がひきつれて歩いたというフリッチ・パレードに端を発することに由来することから、別名“フリッチ・ファスナハトFritschi Fasnacht”とも呼ばれています。長い歴史の中で、常にルツェルン・カーニバルのシンボル的存在である、フリッチファーター(フリッチ・ファーザー) Frtischivaterとは、おそらくルツェルンで最大・最古のツンフト(ギルド)であったサフラン組合を象徴するものだと思われています。カーニバルの祭りは、四旬節前の木曜日(Schmotzige Donnschtig/Dirty Thursday)の早朝5時にフリッチファーターの一団が登場し、大きな音を鳴らしてスタート。静かで美しい街は、すぐにカラフルなコスチュームや仮面をまとった群集の歓喜の叫びと、独特のリズムを奏でる“グッゲンムジーク Guggenmusik”の楽隊の大音響でうめつくされます。旧市街の細い小道に足を踏み入れれば、即興コンサートや、パントマイム、ダンスなどのパフォーマンスをワインやシュナップス(蒸留酒)入りのコーヒーを片手に楽しむ人々が行き交っています。そして四旬節がはじまる灰の水曜日までルツェルンに静寂が戻ることはありません。
